【芸能】14歳上の芸人・おさると年の差婚→夫の度重なる改名→どん底生活も…山川恵里佳(42)が明かす、結婚後の“波瀾万丈な日々”《20年ぶりにグラビア復帰》
【芸能】14歳上の芸人・おさると年の差婚→夫の度重なる改名→どん底生活も…山川恵里佳(42)が明かす、結婚後の“波瀾万丈な日々”《20年ぶりにグラビア復帰》
|
〈「10代で新人なのに大スターと思い切り絡み…」「失礼な小娘だった」山川恵里佳(42)が語る“キャラに悩んだ”バラドル時代《20年ぶりに大胆グラビア披露》〉から続く
山川恵里佳が芸能界における「空席」を模索し、ようやく見つけたキャラと居場所。しかし元来の性格とキャラの「不和」が彼女を苦しめるようになった。当時「美女と野獣カップル」と騒がれたおさるとの結婚、そんな夫の度重なる改名、突然の書道家宣言……バラドルの覇王・山川はバラエティ番組とはまた異なる、「夫婦」という難題にどう対処したのか。(全2回の2回目/1回目から続く)
◆◆◆
――以前おさるさんに取材した際、思ったんです。急に夫が「書道家になる」と言い始めたら、自分はどうするのかなって……。
山川恵里佳さん(以下、山川) 確かにそうですね、書道家になるって急に言われたら驚きますよね(笑)。おさるさんは、こうって自分の中で決めると、止まらない。すごく正直で素直な人なので、やりたいとなると迷いなくザッと突き進む性格の人なんです。小さい頃から書道はやってきていたんですけど、本格的にやりたいと言ったのは30代後半ぐらいでした。
――それで結果を出されているのがすごい。
山川 やっとですけどね。10年ぐらいしてやっと。おさるさんがすごいなと思うのは、周りにどう言われても、どんだけ大変でも続ける。ここで夫をあんまり褒めるのもどうかと思うんですけど、それは素直にすごいなって思います。
私はメンタルがそんなに強くないので、周りに何かいろいろ言われたり、なかなか認めていただけないなって思ったら10年も続けられないと思います、正直。
「死んでいるかもしれないと思うこと、いっぱいやってますもん」
――山川さん全然メンタル弱くないと思いますが……。
山川 おさるさんよりはちょっと弱いです(笑)。今回の写真集の件で、おさるがダメだから私が脱がなきゃいけないとか、ネットには書かれているみたいなんです。私はそういうのを見るの全然ダメな人なんですけど、おさるさんはむしろそれを「ああ、俺がもっと頑張らなきゃいけないんだな」って力に変えちゃう人なんですよね。
――すごい。
山川 下手したらその人に直接コメントを返したりしています。「おさるとしてもっと頑張ります」とか返せちゃう人なんで、そこはほんとに芸人だなって思います。
――くぐってきた修羅場の数が違う。インタビューさせていただいたときに、普通にトラと小部屋でこもるみたいな危険な仕事をたくさんしてきたと。
山川 はい。死んでいるかもしれないと思うこと、いっぱいやってますもんね。ほんとに(笑)。怖いこと一通り経験してきているし、バブルの時代も知っているし、そういう意味では今の時代の怖さは笑えるのかもしれないですね。面白がれるのかもしれない。
夫・おさると出会ったときに「結婚するかも」と感じたワケ
――そんなおさるさんとの出会いはとても大きかったんですね。
山川 そうですね。おさるさんとはずっとバラエティでは共演してたんですけど、1日ドライブするデート企画で、なんかこう……好きとかそういうのじゃなくて「結婚するかも」って思ったんです。顔がタイプとかじゃないのに(笑)。
――(笑)。
山川 でも結婚するかもと思った人は初めてで。なんかこれって今までの恋愛と違うなと、そこから始まりました。テレビなのに衣装の衿の片方だけねじれてたり、顔真っ白になるぐらい日焼け止め塗ったままやってきたり、テレビに出るタレントさんでこんな何も気にしないタレントさんいるのかって思いました。
人ってちょっとでもかっこよく見られたいとか、かわいく見られたいとか、どんな人でもあるよなと思っていたんですけど、すごく裏切られた気分で(笑)。でもこの人、すごく面白いなって、そこが妙に気になっちゃったんですよね。年齢は14歳も向こうのほうが上なのに母心みたいなものがバッと出てきた。
――実際に結婚となったとき、周りの方の反応はどうでしたか。
山川 もうちょっとカッコいい人いるんじゃないかとか(笑)。
「この2人絶対大丈夫だから」結婚を後押ししてくれた人物とは?
――(笑)。
山川 おさるさんは浅井企画所属なんですけど、私たちが結婚するって言ったときに、当時の浅井企画の浅井良二社長がすごく後押ししてくれたんです。
――どんな後押しを?
山川 私がまだ10代のときに欽ちゃんさん、萩本欽一さんと2人でロケさせていただいて、やっぱり欽ちゃんさんはトップの方だから、社長もロケに同行されていました。そのときに浅井社長は私のことを見て、すごく面白い子だと思ってくださったみたいなんですよ。10代のアイドルが萩本さんのことを「欽ちゃん、欽ちゃん」って言うのが衝撃だったと。萩本さんにも「恵里佳ちゃんが初めてだよ」って言われました。
おさるさんが山川と結婚するってなったときに、あっ、山川ちゃんだったら僕はいいイメージしかないから、この子だったら間違いないって。ただ私の事務所の社長的には、当時の私はまだ20代前半だし、結婚には少し難色を示していたんです。でもうちの社長からしたら浅井社長は芸能界の大先輩。そんな浅井社長が、「いや、この2人絶対大丈夫だから」って、ご飯の席でものすごく説得してくださって、お酒もすごく飲まされたらしい(笑)。
事務所の社長は「うちのタレントも結婚するんだ」と…
――山川さんの事務所のお気持ちもわかります。当時芸人さんと結婚するアイドルは珍しかったし、年齢差もありますし。
山川 そうだと思います。当時うちの事務所で結婚した人がいなくて、女の子のタレントさんばっかりだったので。私がそのとき第1号になって、社長もいいきっかけになったような感じでした。うちのタレントも結婚するんだと(笑)。
――事務所の中でも最初に道を切り開いたんですね、山川さんが。
山川 結婚に関してはそうだったと思います。今でも後輩の子に会うと言われます。結婚しても芸能活動できるというのを、山川さんが示してくれて良かったですって。
「結婚して大丈夫だったのかな?」波瀾万丈な結婚生活で抱いた不安
――しかし結婚されてから、先ほどの書道家宣言があったり、その前には「おさる」から「モンキッキー」への改名があったり、なかなか波瀾万丈な結婚生活だったのではないかと。一番近くにいる家族として山川さんはどんなことを考えていたのでしょうか。
山川 今はもういろいろ自分の中で消化できて大丈夫になりましたけど、すごく不安に思っていた時期はありました。あれ? おさるさんと結婚して大丈夫だったのかな? って。それを本人にも言ってました。おさるさんに「恵里佳、ほんとにやばいなと思ったら言ってよ」と言われたときに「いやいやいや、それ今なんだけど」って(笑)。
おさるさん、ほんとそういうの全然何も気づかない人なんですよね。いい意味でも悪い意味でもなんですけど、ほんとにまっすぐで純粋な人なので、一緒にいるんだから楽しいでしょ、大丈夫でしょみたいな。
――ああ……ピュアにこられると何も言えない……。
山川 ただほんとに……いい人なんですよね、性格が。すごく性格がいい人で、たとえばですけど、他の人と結婚したらどうだっただろうと考えても、ここまで性格良くて、家族のことも私のことも純粋に思ってくれる人ってなかなかいないのかなって思う。そういう何事にも代えられないものがあるのかもしれないって、あるとき思ったんですよね。
あと、とにかく子供に対して素晴らしいお父さんなんですよ。
「テレビではウケてないけど…」夫・おさるが家族に見せる“知られざる素顔”
――そうなんですね。
山川 若い女の子にはモテないんですけど、子供の人気度合がハンパなくて(笑)。保育園で書道の先生をさせていただくこともあるんですけど、ありがたいことに子供人気がすごく高くて。
あと、テレビに出ているときより家にいるほうがすごく面白いんです(笑)。なんで人前に出るときこの面白さを出さないんだよって思うんですけど。なんかもうしょうがないですね。
――面白い(笑)。
山川 笑いが絶えない家庭ってベタな言葉がありますけど、それほんとうちです。でもテレビに出たら、緊張するのか、向いてないのか、あんまりウケてない(笑)。それはそれで問題と思うんですけど、家ではすごく面白いので、そういう意味では父としては100点超えてる。もちろん夫としても大好きなんですけど、人間としてすごく面白いなって、あるときからすごくそれを思うようになったんですよね。
――おさるさんにインタビューしたときも、とにかく山川恵里佳さんを尊敬していると話していました。14歳下の女性を心の底からリスペクトするって、実はすごく難しいことだと思うんですよ。
山川 確かに。そうですよね。
「応援はするけど、期待はしない」どん底も経験した夫婦が築いた“大人の関係”
――でも今のお話を聞いていて、いい人っていうのは、才能なんだなと。
山川 あっ、そう思います。これ、鍛えようと思っても鍛えられない。だからたぶん結婚しても、相手をいい人にするのは難しいと思う。だから100%相手に求めるというのもやっぱり違うし、私も100%じゃないんで、そう考えるとお互い譲っていかなきゃいけないし、目をつぶらなきゃいけない。たぶんうちらはちょうど凸凹で、グッとバランスはいいんだろうなとは思いますね。
――おさるさんは『ボキャブラ天国』でブレイクされて、ビッグマネーを稼がれていた時期もあったじゃないですか。でも結婚されてから、どん底も経験されたと。
山川 いろいろありましたね……。よくその当時しゃべっていたのは、浮き沈みの多い世界だからこそ、仕事も家のこともできる方がやろうと。妻だからやるとか、父だからやるとか、おさるさんだからやるとか、山川だからやるとかそういうことを決めないようにしていました。
たとえば、どちらかが仕事をしてお金を稼ぐのが当たり前になって、そうじゃないほうが頼っていると、それが難しくなったときに不満に変わってしまう。私たちの仕事は安定が難しいので、どっちかが調子悪かったり、どっちかが難しい状況だったら、もう片方ができることをやったらいいじゃん。頑張ればいいじゃん。仕事がない時期もすごくおさるさんは頑張っていたから、その頑張っているのが当たり前って思っちゃいけなくて。
難しい時期は、私もできることを探さなきゃいけないし、それはマネージャーさんにも共有してチームでやっていこうと。家事もそう。たとえば私が忙しかったら、掃除機とか、お風呂洗ったりとか、おさるさんがもちろんやります。そうですね、自立……自立とまた違うのか。
――いい自立ですよね。夫婦だけど大人の関係をちゃんと築けている。
山川 頼るような期待のしかたはお互いにしちゃいけないなと思いました。もちろん応援はしますけど、期待はしない。仕事も家のことも全部そうですけど、大きく期待しすぎない。期待しないと言うと夢がない感じがするんですけど、ちょっと冷静に現実を見るスタンスでいなきゃいけないなというのは常に思うようにはしてますね。
「婚姻届っていうのは…」所ジョージから言われた言葉の“意味”
――家族を作る点でモデルにされている方はいらっしゃいますか。
山川 そうですね、デビューのときとかずっとお世話になったのは所ジョージさん。所さんもすっごいご家族思いで、もちろん仕事も真面目なんですけど、所さんから学ばせていただいていることはたくさんあります。
たとえば番組の打ち上げって、メインの方はずっといるイメージだったんですけど、所さんは乾杯だけして、スタッフさんや演者さんに挨拶してくださったら、「じゃあ奥さんのご飯食べるんで」ってパッと帰るんですよ。スタッフさんや演者さんとの時間も大事にするけど、奥さんのご飯が一番おいしいからってサラッとおっしゃる。
――カッコいい。
山川 私たちが結婚したとき所さんに「婚姻届っていうのはここからこの2人が仲良くしますよっていう約束の紙だからね」って言われたんですよ。結婚がゴールなんじゃなくて、これからもっと相手のことを知って、もっと仲良くなるために協力していかなきゃいけないんだよ、ということをおっしゃりたかったんじゃないかと思います。やっぱり人間としても素晴らしいから、テレビもずっと続くし、ずっと人気もあるんだなと思いました。
「ガソリンスタンドに入ったときに…」所ジョージがプライベートで見せた“カッコよすぎる姿”
――なるほど。
山川 あと所さんは相手がどれだけ年下でも後輩でも呼び捨てにしないですね。私なんかにも、「山川さん」。以前プライベートで所さんとガソリンスタンドに入ったときに、そこのアルバイトのお兄さんにお金を払って、お釣りをそのまま「コーヒー飲んで」と言って渡しているのを見て、ワーって思ったんです。
こんな御礼のしかた、私も大人になったらしてみたいって憧れたぐらい。普段から大きい心で、スタッフさんだからどうとか、お仕事で一緒になったからどうとか、新人だからどうとかっていうボーダーや垣根がない方なんですよ。
――そういう方が近くにいると迷ったときの道標になりますね。
山川 ほんとにそうなんです。所さんだったらどうするんだろうとか、ちょっとパッと思いますもん。おさるさんと結婚して、あれ? 大丈夫かなって思ったときも、あっ、所さんだったらたぶん「いやいやいや、面白いじゃない」って言うんだろうなとか、「そんなのあと何年かだから、笑えるようになるよ」って言うんだろうなとか。勝手に思っているだけなんですけど、芸能界でそういう方にお会いできたことは本当にありがたいことだなってすごく思いますね。
「うちの妻は現役グラビアアイドルなんで」写真集が夫・おさるのネタに?
――最後に、今回の写真集、おさるさんは何か感想をおっしゃっていましたか。
山川 「スタッフさん皆さんに恵まれた恵里佳は幸せだね」って言われました。もうほんとにたくさんご理解をいただかないと、この形にはならなかったと思うので、私もそう思います。
あと1つ言っていたのは「『自分の妻はグラビアアイドルです』って言えるのが楽しい」と(笑)。うちの山川は現役グラビアアイドルなんでって言えるのが、俺は面白くてしょうがないって言ってました。まあネタにしてもらえれば。
――すごいツカミだ。
山川 いいツカミですよね。何でもネタにできる職業なんで、そこはありがたいなと思いますね(笑)。
撮影=石川啓次/文藝春秋
(西澤 千央)