【芸能】「カメラ回して!」佐藤夕美子 17年前の朝ドラヒロインの人生を変えた大女優からの一言

【芸能】「カメラ回して!」佐藤夕美子 17年前の朝ドラヒロインの人生を変えた大女優からの一言

「カメラ回して!」という一言が、どれほど彼女の人生を変え、演技に影響を与えたのか計り知れません。この言葉が象徴する情熱や決意は、同じように夢を追い求めるすべての人に響くメッセージだと思います。

代替テキスト
46歳になった佐藤夕美子の近影

「8歳で初めて『アニー』に出演し、中学卒業まで子供ミュージカルにどっぷりひたっていましたが、高校入学を機に事務所に所属。高校最後の年に、記念のために受けたのが、朝ドラヒロインのオーディションだったんです」

こう振り返るのは、女優の佐藤夕美子さん(46)だ。複数回にわたる『甘辛しゃん』の審査を経て、最後はNHK大阪放送局で行われた最終審査へ臨んだ。

「会議室に通されて、面接前の緊張感でいっぱいだったのに、いきなり『ヒロインをお願いしたいです』と切り出されて。びっくりして『ハァ? ハイ! エェ!?』と訳のわからない反応になってしまいました。右も左もわからない状況だったのですが、出演者の方たちが支えてくださいました。制作発表には父親役を演じる風間杜夫さんも出席したのですが『ボクは君の相手役だと思っていたら、お父さん役だったよ』と笑わせてくれて」

嶋田久作は、アニーでも共演していたという。

「嶋田さんは、そばにいらっしゃるだけで支えられている感覚に。祖父役の植木等さんとは、居間でご飯を食べるシーンが多かったのですが、大阪のNHKは消えもの(料理)がおいしくて、撮影が終わるとそのまま一緒にお昼ご飯にしていました。植木さんは『泉(佐藤さんの役名)は魚をきれいに食べるから気持ちいいよ』って言ってくださいました」

女優として成長させてくれたのは、母親役の樋口可南子だった。

「いちばん印象に残っているのは、泉が母親に義弟への思いを打ち明けて、親子がぶつかり合うシーン。樋口さんに?をたたかれるのですが、普通、赤くなってしまうから本気ではたたきません。でも、樋口さんは母親の心情を説明するなどすごく時間を割いてくれて、『ここは私も勝負したいから、本気でやります』と。実際に痛みを感じることで生まれた表現ができたと思います」

台本に、母を亡くして《静かに涙を流す》とあったものの、なかなか泣けずに苦しめられたシーンもあった。

「別室でモニターを見ていた樋口さんがやってきて『泣こうとしなくてもいいよ。あなたの母親に対する思いを表現して』と一言アドバイス。そしてさっそうと『カメラ回して』と去っていったんです。そのアドバイスどおりにすると、うそのようにボロボロ涙があふれてきて……。樋口さんは、私にとって、役になりきるために心を動かしてくれる存在でした」

『甘辛しゃん』(NHK・1997~1998年

NHK連続テレビ小説の第57作。母の再婚により造り酒屋の娘となった泉(佐藤夕美子)が、母との角質や義理の弟への恋心を経て、第7代当主となるまでの物語。朝ドラで初めて阪神・淡路大震災が描かれたのもこの作品だった。

PROFILE

さとう・ゆみこ

1978年生まれ、東京都出身。小学3年生からミュージカルを中心に活躍。高校卒業と同時に本格的に芸能活動をスタートし、映画、ドラマに幅広く出演している。

(出典 news.nicovideo.jp)

続きを読む

続きを見る