【社会】プロ野球観戦時のSNS投稿の新ルール、どれくらいの人が理解している?
【社会】プロ野球観戦時のSNS投稿の新ルール、どれくらいの人が理解している?
J:COMは、2025年2月にプロ野球観戦時の写真・動画のSNS投稿に関する新ルールが公表されたことを受け、観戦者のSNS利用にどのような影響を与えるのかの調査を実施し、その結果を公表した。
J:COMはケーブルテレビの放送と動画配信をセットで楽しめる「J:COM TV シン・スタンダード」で2025年シーズンのプロ野球公式戦全試合を生中継で放送することになっており、テレビ以外のデバイスを利用し、見逃し配信やハイライト、SNSの利用などによりスポーツ観戦のスタイルが変化したことから、今回の調査を行っている。調査は、週に1回以上スポーツ観戦をする習慣があり、プロ野球チームを応援している20代~60代の男女を対象として2025年3月に実施された。
○新ルールを理解しているという人は全体の約6割
今季設定されたプロ野球観戦時の写真・動画のSNS投稿に関する新ルールは、「球場で観戦者が撮影した写真・動画などについて、家族や友人など特定の者以外に向けて配信・送信することを禁止する」という内容となっている。この新ルールを理解しているかを聞いた結果が次のグラフだ。
「よく理解している」「なんとなく理解している」を足すと58.0%、過半数が新ルールを理解しているものの、約4割は新ルールを十分には理解していないという結果になった。中には「全く理解していない、守るつもりはない」という人も7.3%おり、ルールが機能するかが懸念される。
○SNSでプロ野球関連の写真や動画を見る理由/投稿する理由
そもそも、プロ野球ファンがSNSで写真や動画を見るのはなにを目的としてなのか。それを複数回答で聞いた結果が次のグラフだ。
もっとも多かった「試合のポイントをハイライト的にみられるから」(46.4%)や「リアルタイムに情報が得られるから」(38.6%)など、公式の情報発信やネット中継が充実すればそれで代替できそうなニーズもあるが、「映像に映らない試合の動きがみられるから」(39.6%)や「注目していなかった場面を新しい視点で見られるから」(28.2%)など、個人撮影ならではの内容を楽しんでいた人も多いようで、そういったニーズをどうカバーしていくかが今後の課題といえる。
反対に、写真・動画を投稿する理由も聞いている。
もっとも多かったのは、「個人的な観戦記録、備忘録として」(31.8%)。この回答や「現地観戦したことを発信したいから」(19.1%)については必ずしも写真・動画のアップが必須ではないようにも思えるが、「野球観戦の面白さ、楽しさを伝えたいから」(24.1%)、「球場の雰囲気、盛り上がりを共有したいから」(23.2%)が目的となると写真や動画を投稿したくなるのも理解できる。「自分の撮影した写真・動画の良さを伝えたいから」(12.7%)という回答も1割を超えている。
○映像でのプロ野球観戦、「テレビのみ」と「テレビとそれ以外」が拮抗
今回の調査では、映像でプロ野球観戦をする際の状況も聞いている。映像でプロ野球観戦をする際にもっともよく利用するデバイスは「テレビ」が80.4%、「スマホ」が36.9%、「パソコン」が28.7%。テレビが最大ではあるもののの、「テレビのみ」という人が44.1%なのに対して「テレビとそれ以外」が36.3%と、テレビ以外のデバイスも合わせて利用しながらテレビで視聴するというスタイルが浸透してきている。
プロ野球の試合をリアルタイムで視聴するか、後から視聴するかでは、リアルタイムで見ることが多いという人が全体の8割近くに上った。やはりゲーム観戦はリアルタイムで、というのが大多数のファンの考えのようだ。
調査概要
調査名:プロ野球観戦時の視聴傾向とSNS 利用の実態
調査機関:2025年3月11日~3月13日
調査方法:インターネット調査
調査対象:週に1回以上スポーツ観戦をする習慣があり、プロ野球チームを応援している20代~60代の男女/331名
(大塚洋介)
