【芸能】素顔の5人が奇跡の再結集! 50周年記念『秘密戦隊ゴレンジャー』シークレットイベント- 誠直也「仲間たちと再会できて感無量」
【芸能】素顔の5人が奇跡の再結集! 50周年記念『秘密戦隊ゴレンジャー』シークレットイベント- 誠直也「仲間たちと再会できて感無量」
2025年4月5日、『秘密戦隊ゴレンジャー50周年記念シークレットプレミアムイベント』が東京ドームシティ・シアターGロッソにて開催された。ここでは映画上映、スペシャルアクションショー、そしてこの日のために再結集が叶った5人の俳優によるトークショーが行われ、50年前にゴレンジャーを応援していたかつての子どもたちをはじめ、幅広い年齢層の特撮ヒーローファンを興奮させた。
特撮テレビドラマ『秘密戦隊ゴレンジャー』は、1975年4月5日にNET(現テレビ朝日)系全国ネットで放送された。原作者は『仮面ライダー』(1971年)『人造人間キカイダー』(1972年)『ロボット刑事』(1973年)『イナズマン』(1973年)と、70年代にユニークなヒーローを次々と創造してきた石ノ森章太郎氏。制作陣は、大ヒットシリーズとなった『仮面ライダー』に負けないような特撮ヒーローを生み出そうと工夫を重ね、「チームワークを武器に悪と戦う仮面のヒーローたち」というアイデアを投入した。そして彼らが乗り込み、主に救助活動を任務とする空中移動要塞バリブルーンや、その後継機バリドリーン、万能戦車バリタンクといったメカニック特撮の派手な魅力も強く打ち出され、子どもたちに強くアピールできる豪華絢爛なビジュアル作りに努めた。
黒十字軍の襲撃を受けた国際平和組織「イーグル」各支部で生き残った5人の隊員が集められ、江戸川総司令のもと秘密戦隊ゴレンジャーが結成された。メンバーはアカレンジャー/海城剛(演:誠直也)、アオレンジャー/新命明(演:宮内洋)、キレンジャー/大岩大太(演:畠山麦)、モモレンジャー/ペギー松山(演:小牧りさ)、ミドレンジャー/明日香健二(演:伊藤幸雄)の5人。彼らは新宿にあるスナック「ゴン」から秘密の通路でつながっている基地「ゴレンジャールーム」に入り、ゴレンジャーマシーン(レッドマシーン、ブルーマシーン、グリーンマシーン)やバリブルーンを駆使して黒十字軍と戦っている。途中、大岩がイーグル九州支部の教官になり、ゴレンジャー予備軍から熊野大五郎(演:だるま二郎)が抜擢(第55話から)され、後任のキレンジャーとなった。しかし熊野は第67話、カンキリ仮面との戦いで凄絶な戦死を遂げたため、急遽大岩がキレンジャーとして戦線復帰し、黒十字総統との最終決戦を迎えている。
○シアターGロッソで一度限りの『秘密戦隊ゴレンジャー』アクションショー!
イベントMCを務めたのは、仮面ライダーやスーパー戦隊をはじめとする特撮ヒーローをこよなく愛する声優・俳優の関智一。関はシアターGロッソの前身となった「後楽園ゆうえんち野外劇場」および「スカイシアター」で活躍した名物MC・ヒロちゃんこと「なりた洋」にリスペクトをささげた衣装でステージに登場し、なりたが昭和・平成の子どもたちに呼びかけてきたのと同じく、テンション高めのボイスで客席につめかけた大勢のファンに挨拶した。
最初のプログラムは、1976年に「東映まんがまつり」の一本として上映された劇場用新作映画『秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン!』(監督:山田稔)。第59~61話と同時進行で撮影が行われた「愛媛県松山市」ロケ編で、瀬戸内海や松山城などの名所を舞台に、黒十字軍の大計画を粉砕するゴレンジャーの激闘が描かれた。
映画上映後、ステージに戻った関は「こういうの観ちゃうと、本物のゴレンジャーにも会いたくなっちゃうよね!」と客席をあおり、ファンの声でゴレンジャーを呼ぼうと声をかけた。しかし、現れたのは兵士ゾルダーを従えた黒十字軍の自称ホームラン王・野球仮面(声:関智一)だった。
野球仮面といえば第53話でコミカルなふるまいやとぼけたセリフ(声:永井一郎)でファンの人気が高い仮面怪人のひとり。「このイベントは黒十字軍のものだ!」と豪語し、ホイ、ホイと軽快なかけ声をあげるゾルダーに客席を制圧するよう命じた。このままではシアターGロッソと関が黒十字軍のえじきになってしまう!
すると「そうはさせん!」という頼もしい声が奥から響き、われらのゴレンジャーがさっそうと登場。アカレンジャー、アオレンジャー、キレンジャー、モモレンジャー、ミドレンジャーの順で、勇ましいアタック音に合わせて得意のポーズを決めた。
アカレンジャーの「5人そろって」の声を合図に、右腕を前につきだし「ゴレンジャー」と名乗って力強いポーズを取るゴレンジャーの勇姿。
ゴレンジャーの頼もしきリーダー・アカレンジャー。脚を内側にひねりながらキックする、特徴的なアカレンジャーアクションは50年後の今も健在だった。
表向きはクールだが、内に熱血な部分を秘めているアオレンジャー。彼の得意技は一度に複数の矢を放つことのできるウルトラブルーチェリー。
カレーライスが大好きで、大盛りを一度に何杯も食べるチームのムードメーカー・大岩大太の後を受けた、二代目キレンジャー。彼もまたとてつもない大食漢で、「ドスコイ」と気合を入れてゾルダーをなぎ倒す怪力ぶりを見せつけた。
ゴレンジャーの紅一点にして爆弾のプロフェッショナル・モモレンジャー。彼女の仮面についている2つのイヤリングは超小型爆弾であり、一発で複数人のゾルダーを吹き飛ばしてしまう。爆弾を投げる際「いいわね、いくわよ」というのがモモレンジャーの口癖である。
最年少のミドレンジャーは、小回りの利く身軽な身体能力を活かしたスピーディな戦法が得意。ミドメランを改良した「ニューミドメラン」でゾルダーを打ち破る。
やたらに口数の多いひょうきんな敵・野球仮面と対峙するアカレンジャー。ゴレンジャーの専用武器はアイマスクから取り出される。アカレンジャーは特殊ムチ・レッドビュートを変形させた「ヤリビュート」で華麗な立ち回りを披露した。
ゴレンジャーの必殺武器は、フットボール型の高性能爆弾・ゴレンジャーハリケーン。アカレンジャーの「モモ、ゴレンジャーハリケーンだ」という呼びかけにモモレンジャーが「OK」と答え、細かなパーツを瞬時に組み立てることでゴレンジャーハリケーンが起動。このボールをモモからキ~ミド~アオとパスしていき、アオレンジャーがアカレンジャーに「クラウディングトライ」を決めるようセッティングするのが定番パターンだ。
4人がパスすることによって起爆スイッチの入ったボールは、アカレンジャーのキックによって「エンドボール」となり、仮面怪人がどうしても引きつけられてしまう物体や、できれば遭遇したくない苦手な物体など、自由自在に変形してから爆発するのが大きな特徴である。
今回、アカレンジャーは「ゴレンジャーハリケーン、二刀流!」と力強くコールした。果たして、エンドボールはどのような変形を見せるのだろうか。
なんと、エンドボールは現在ドジャーズで大活躍中のメジャーリーガー・大谷翔平選手を思わせる、打者と投手の「二刀流」に変形。昭和51年の野球界になじみの深い野球仮面にとって、令和の世のスーパープレイは刺激が強すぎたのかもしれない。
エンドボールを受けた野球仮面は「ついに引退の時が来たか……」と、いかにも名残惜しそうな声を残し、大爆発した。シアターGロッソに平和な時がよみがえったのだ。
かつて野外劇場で子どもたちを興奮させたゴレンジャーが半世紀を経て、プロジェクションマッピングをはじめとする最新視覚効果を備えたシアターGロッソで、現役ヒーローに決してひけを取らない大アクションを披露。オープニング曲「進め!ゴレンジャー」エンディング曲「秘密戦隊ゴレンジャー」をはじめ、特撮・アニメ音楽の巨匠・渡辺宙明氏の手がけた珠玉の音楽も、彼らの戦いを最大限に盛り上げた。
アカレンジャーは客席のファンに向かって「悪があるところ、俺たちは必ずかけつける!」と力強く宣言。そして仲間には「これからも力を合わせて戦おう!」と、チームワークを大切にして戦うスーパー戦隊の基本精神を改めて言葉にした。
最後に、第72話~最終回(第84話)で見せた、新しい全員名乗りポーズを披露するゴレンジャー。さすがのサービス精神だといえる。
戦い終わって、ゴレンジャーが客席に向かって手を振る中、ステージの照明が次第に落ちていく。ふたたび照明がついたとき、そこに現れたのは「素顔のゴレンジャー」、つまり『秘密戦隊ゴレンジャー』オリジナル・キャスト5人だった。
○奇跡の結集! 素顔のゴレンジャーキャストトークショー
本格的「ゴレンジャーショー」に続いて「オリジナル・キャスト結集」というサプライズの連続に、客席からは「おお~ッ!」というどよめきが起きた。初代キレンジャー/大岩大太役の畠山麦が惜しくも故人となっているのは残念だが、二代目キレンジャーのだるま二郎が駆けつけたことで、見事「5人そろってゴレンジャー」という奇跡的なビジュアルが実現した。
仲間思いの熱血漢・アカレンジャー/海城剛を演じた誠直也は、『秘密戦隊ゴレンジャー』の放送開始から50年を迎えたことについて「50年前、一緒にがんばった仲間たちが、こうして元気に集まって、会うことができた。感無量ですね。あのときゴレンジャーをやってよかったなって思います」としみじみ語って、客席のファンから感動の拍手を集めていた。
バリブルーン、バリドリーンの操縦を担い、初代キレンジャー・大岩大太との軽妙なかけあいが人気を呼んだアオレンジャー/新命明は、アクション派の俳優・宮内洋が『仮面ライダーV3』(1973年)に続いて取り組んだ変身ヒーローだった。宮内は「『ゴレンジャー』は2年間も放送が続きました。われわれプロが一生懸命取り組んだ。そのおかげで視聴率が上がっていった。ざまぁみやがれ! という心境です(笑)」と、当時のゴレンジャー人気をふりかえった。宮内の発言には『V3』が大人気だったにもかかわらず、1年で放送を終了したことに対する「リベンジ」を『ゴレンジャー』で果たせた(=放送延長が実現した)思いが含まれているのかもしれない。
大岩大太の後任として、二代目キレンジャーに抜擢された熊野大五郎役・だるま二郎は「私は高いところがダメ、高所恐怖症なんです。でも隣にいる宮内さんがアクション大好きで、四国ロケ(第59話)のとき一緒にロープウエイに乗って、ここから飛ぶんだぞと言いながらグラグラゆらすんです。あれは怖かったですよ」と苦笑いしながら宮内のアクションにかける情熱に圧倒されたことを明かした。これを受けて宮内は「いまでも、高いところと火薬は大好き」と答え、笑いを誘った。
ゴレンジャーの必殺武器ゴレンジャーストームやゴレンジャーハリケーンを準備するという重要な役割を担うモモレンジャー/ペギ―松山を演じる小牧りさは「最初のスチール撮影会で台本を見せていただき、そのとき初めて5人の内のひとりを演じると知り、驚きました。アクションの経験がなかったので、大野剣友会のみなさんについて2ヶ月ほど特訓をしたんです。以前から踊りをやっていたので、脚は高く上がり、なんとかこなすことができました。終わってみると、結局アクションするのが大好きになっていましたね(笑)」と、当初は未経験でありながらアクション練習や撮影をこなしていくうち、アクションが好きになっていったという経緯を笑顔で語った。
最年少ならではの子どもっぽさを残しつつ、黒十字軍との戦いでは激しさを打ち出していたミドレンジャー/明日香健二を演じる伊藤幸雄は「このメンバーと久しぶりに会って、お互い歳を取ったなあなんて思っていたんですけど、当時の話をしているとみんな昔と変わらない。感覚があのころに戻ってしまいますね。俳優として他の仕事もやってきましたが、ほとんどは撮影が終われば付き合いも終わりって感じなのに、こうやって昔の仲間たちと50年ぶりに集まることができたのはすごいこと。すごい作品に出演させてもらったんだなと思っています」と、共に全力で打ち込んだ『ゴレンジャー』の仲間との再会を改めて喜んだ。
撮影時の思い出を訊かれた誠は「苦労はたくさんありました。爆弾で吹き飛ばされたり、火の中に入ったり……。一番痛い思いをしたのは、2mくらいの高さからジャンプして、下が草むらだと思ったら、鉄骨が突き出ていた。そのまま足が陥没骨折して、3ヶ月くらい泣きながら撮影していました。あのとき飛び降りろって言った奴には『このやろう』って怒りたかったけど、みんな一生懸命だったからなあ。演出家が欲しいと思った画があれば、それ以上に俺たちが応えてあげなきゃなって思っていた。だからオーバーアクションにもなるしね……青春だよな(笑)」と、よりよい映像を作るため、怪我を恐れずあらゆることにチャレンジしていた若き日を思い出し、目を細めた。
ヒーローの「変身前」は絶体絶命のピンチにならねば、という信念を持つ宮内は、『ゴレンジャー』でも率先して危険と思われるアクションに挑んでいる。
「浜名湖ロケ(第15話)で舘山寺ロープウエイにしがみつき、屋根の上に立ったことがありました。屋根だとつまんないからそのまま上がっていって、ロープのところでカッコいいポーズを取ったんですが、スイッチャーの方がロープウエイを止めちゃって……。バランスを崩せば100mくらい下の湖へ落下ですから、あれは恐怖を感じました。また、鳥取砂丘ロケ(第39話)で『バリブルーンが不時着し、日本海にプカプカ浮かんでいる新命』と台本に書いてあったのですが、撮影の日はクリスマスイブ(12月24日)、真冬です。しかも雪が降っていた。ものすごく冷たい海の中に入って、死ぬかと思ったのを覚えています(笑)」と、いずれも過酷なシーンに自分から飛び込んでいった、不屈の役者魂を打ち明けた。
だるまは初登場回(第55話)での思い出として「熊野がゴー! と言って一回転しても、なかなかキレンジャーに変わらない。自分としても、アクションものは初めてだったのでどうやったらいいのかわからない部分が、役と同じでしたね。大野剣友会のみなさんにいろいろと尋ねながら、徐々にこなせるようになっていったのが本音です。こちらの方々にはずいぶんと迷惑をかけました」と途中参加ゆえの難しさを語ると、隣の誠が「迷惑なんて、かかってないよ二郎ちゃん!」と気さくに声をかけ、だるまを感激させた。
小牧も過酷だった撮影の思い出があり「ダイガー仮面の回(第83話)では、夏の海で初恋の人(池田駿介)と水着ではしゃぐ回想シーンがあったんですけど、撮影したのが1月の終わりで、ずいぶん寒い思いをしました。また、後半の撮影でゾルダーのキックが私の鼻に当たってしまって、鼻が低くなってしまいました」と、知られざるアクションシーンでの苦労が多々あったことをうかがわせた。
伊藤は「ゴレンジャーマシーンが隊列を組んで道路を走るシーンを撮影していたとき、明日香の乗るグリーンマシーンのサイド部分には(畠山)麦さんが乗っていたんですけど、本番中にもかかわらず、麦さんが運転している僕の脚をしきりに叩くんです。なんでだろう? と思っていたら、僕は道路をふつうに走っているつもりだけど、麦さんのサイド部分がセンターラインをはみだしていて、対抗車とぶつかりそうになっていた。そりゃ麦さんもびっくりするよなあって」と、サイドカーを運転する際の難しさをふりかえった。
ここで、小牧さんが大事に保管していたペギーの衣装(ベスト、シャツ、ホットパンツ)と、第7話、第41話の台本が披露された。この衣装を見て「この服、着てくればよかったのに~」と話す宮内に、小牧は「もう入らないですよ(笑)」と少々困り顔で対応した。
関が「そろそろお時間が……」とトークの終わりを促し始めると、誠が「ちょっと待った! せっかく今日は大勢の方々が観に来てくれているので、重大発表! すばらしいお知らせをプレゼントします」と話して、ファンの期待をあおった。
スクリーンには、50年目のゴレンジャーに子どもたちの声がかぶり、アカレンジャーからの「ありがとう……」というメッセージが入れられた映像が映し出された。これは、今年(2025年)8月から東京ドームシティ・プリズムホールにて開催される「全スーパー戦隊展」の告知映像であった。ゴレンジャーからゴジュウジャーまで、歴代スーパー戦隊の展示がどのような形で行われるのか、ぜひ公式サイトで今後の情報を確認していただきたい。
マイクを手にした誠は「みなさまの応援次第で、まだまだこれから先(の作品)があると思いますので、これからもスーパー戦隊をよろしくお願いします」と、少なめの言葉に強い思いを込めながら、さらなる未来に向かって突き進むスーパー戦隊の熱烈な応援をファンに呼びかけた。
最後には、本日のMCを務めた関が「全スーパー戦隊応援隊長」に就任したことを発表。もともとの「特撮愛」の強さと共に、『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)ではブルドント&カイザーブルドントの声、『電磁戦隊メガレンジャー』(1997年)ではビビデビの声、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)ではモバイレーツ音声、『王様戦隊キングオージャー』(2023年)ではゲロウジームの声など、演者としてスーパー戦隊シリーズと関わりの深い関だけに、「全スーパー戦隊展」を熱く盛り上げてくれることは間違いない。今後の展開が大いに期待される。
本イベントは、ヒロちゃんによる往年の名フレーズを完コピした「トモちゃん」こと関の「さようならって言っちゃうと、もう会えないみたいで寂しいから、『またね』でお別れしたいと思います。では行きますよ~~、まっっったね~~~~っ!!」という絶叫で、見事にしめくくられた。
(C)石森プロ・東映
(秋田英夫)
