【芸能】「この作品がヒットしなかったら、正社員に…」毎熊克哉が“極貧生活”から成り上がるまで《「光る君へ」で話題に》
【芸能】「この作品がヒットしなかったら、正社員に…」毎熊克哉が“極貧生活”から成り上がるまで《「光る君へ」で話題に》
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「完全に直秀ロス……」
3月3日夜、大河ドラマ「光る君へ」(NHK)の放送終了後、SNSは上のような悲しみの声で溢れた。
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遅咲きながらようやくブレイク 今最も注目される俳優の1人に
この日の放映では毎熊(まいぐま)克哉(36)演じるオリジナルキャラ直秀が非業の死を遂げた。芸能記者が語る。
「直秀は散楽の一員として町で風刺劇を披露しながら、義賊として貧しい民に盗品を分け与えていた。吉高由里子演じるまひろと道長(柄本佑)との逢瀬に協力する一方で、自分はまひろが好きで、身分違いの恋に悩んでいる。そんな“あざと切ない”役柄を、毎熊はクールに演じきった。『帰るのかよ』『一緒に行くか?』など、女性視聴者をドキドキさせるようなセリフも話題になりました」
毎熊は昨年秋に放送された『セクシー田中さん』(日本テレビ)で主人公、田中京子の相手役を好演。4月スタートのドラマ『好きなオトコと別れたい』(テレビ東京)では、主人公の彼氏の“ダメ男”役に挑戦する。「遅咲きながらようやくブレイクした」(同前)今最も注目の俳優の1人だ。
転機は小路紘史監督の自主制作映画『ケンとカズ』
「地元でダンス講師をしていた母親が見ていた某ダンサーの動画に影響を受けて、高校時代からダンスに打ち込んだ。一時は振付師になることも考えたようですが、高校卒業後、映画の専門学校に入学。監督コース専攻で学び、途中から俳優として同級生らの作品に出るようになった」(同前)
卒業後、芸能事務所に所属したが、エキストラや名前のない役を演じるなど、下積み時代が続いた。
転機は2015年。専門学校の同級生・小路紘史監督の自主制作映画『ケンとカズ』に主演。同作は東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞を取り、毎熊も毎日映画コンクールのスポニチグランプリ新人賞などを受賞した。同作カメラマン・山本周平氏が語る。
バイト先の引越会社から正社員にならないかと誘われていた
「監督や役者らの情熱で作られた映画です。現場では小路監督や毎熊君はお互いに意見をぶつけ合っていた。自主制作なので予算がなく、スタッフも友人らの手を借りて10人以下。監督が撮影しながら音声録音をして、毎熊君もロケ用の荷物を運んだり、川辺で自分でメイクすることもありました」
小路監督が続ける。
「毎熊の衣装代に2万円かけるので精一杯でした。毎熊は1日かけて一緒に衣装を探してくれたり、本編の編集やアフレコにも付き合ってくれた。当時、毎熊はアルバイト先の引越会社から正社員にならないかと誘われていたんです。『この作品がヒットしなかったら、正社員になっていた』と後に打ち明けてくれました」
毎熊が元来持ち合わせる“独特の色気”
『ケンとカズ』の公開から1年後の17年頃には一般人女性と結婚。
「奥さんとは仲が良いようで、2人でゲームをして遊んでいるとか。シャイな部分があり、大勢の飲み会が苦手。寡黙で打ち解けるまで時間がかかるタイプです」(毎熊の知人)
19年、毎熊に舞台『後家安とその妹』の出演をオファーし、演出を手掛けた俳優の豊原功補は、その演技をこう評する。
「毎熊君は底辺から高いところまでの人間の機微を表すことができる。尖ったところを感じさせつつ、心の中に温かいものを持っていそうな、独特の色気がある。これは彼が元来持ち合わせていたもので、後で身につくものではありません」
実家の父にも話を聞いた。毎熊そっくりの父も大河を楽しみに観ているという。
「(大河出演は)ありがたいことでございます。(ファンの皆さんも)見守ってくださっていて」
極貧時代を越え、大河で成り上がった36歳。あざと切なくて何が悪いの?