【中体連】全中大会で9競技取りやめへ ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、アイスホッケー、水泳、スキー、スケート
【中体連】全中大会で9競技取りやめへ ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、アイスホッケー、水泳、スキー、スケート
2024/06/08 19:13
https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20240608-OYT1T50103/
読売新聞
日本中学校体育連盟(中体連)は8日、主催する全国中学校体育大会(全中大会)で2027年度以降、水泳やスキー、スケートなど9競技を実施しないと発表した。全国の中学校約1万校に部活動の少ない競技を取りやめ、現行の20競技からほぼ半減させることで、大会運営を担う教員の負担を減らす。都道府県大会や地区予選の規模だけでなく、全国の中学校が設置する部活動の種類にまで、大きな影響が広がりそうだ。
ほかに取りやめるのは、ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、アイスホッケー。ソフトボールの女子は継続する。スキーは開催地との契約の関係で、29年度までは現行の規模で続ける。水泳以外の8競技は23年度、部活動のある中学校が全国で1000校に満たなかった。今後は、日本水泳連盟など競技団体が主催する大会への一本化を目指す。
中体連は21年度から専門委員会で改革案を検討し、6月7日に東京都内で開いた理事会で承認した。現在の小学4年生が中学生になる27年度以降は、会期を3日間以内に短縮し、参加者数と開催経費を30%削減する目標も決めた。原則はトーナメント方式のまま続けるが、敗退した選手やチームが交流できる試合などの創設を競技ごとに検討する。全国9地域ブロックでの持ち回り開催(東北と北海道は合同)は継続する。
全中大会は1979年度に始まり、現在は夏季16競技、冬季4競技に計約1万3000人が出場する。都道府県や地区ごとの予選大会には約180万人が挑む。急激な少子化で生徒数が減っている一方、大会規模は変わらず、運営や協賛金集め、酷暑対策に追われる教員の負担が課題となっていた。
中体連は「解決に向けた取り組みが進んでいない実態から脱却し、改革を進めなければ、中学生にとって大舞台である全中大会を開催し続けていくことが難しい」と説明。30年度にも改めて大会を見直す方針だ。
「*部活動」などの著書がある内田良・名古屋大教授(教育社会学)は、「前例のない改革で、『よくぞ決めた』と言える英断だ。大会が変われば、教員の負担や過熱指導といった問題の解決につながる。トップ選手を目指す生徒と、趣味のようにスポーツを楽しみたい層がすみ分けられる環境を整える上でも大きなきっかけになる」と話している。