【芸能】マキタスポーツ「10分どん兵衛」誕生秘話 志村けんさんの“水割り哲学”、温かったビートたけしの言葉
【芸能】マキタスポーツ「10分どん兵衛」誕生秘話 志村けんさんの“水割り哲学”、温かったビートたけしの言葉
マキタスポーツ「10分どん兵衛」誕生秘話 志村けんさんの“水割り哲学”、温かったビートたけしの言葉 …食にまつわる異色のエッセー『グルメ外道』を刊行 芸人、俳優、そして文筆家としてマルチに活躍するマキタスポーツが、食にまつわる異色のエッセー『グルメ外… (出典:) |
4/26(土) 16:10 ENCOUNT
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc5c557bd972d7c300a568837e35181c88294c88
食にまつわる異色のエッセー『グルメ外道』を刊行
芸人、俳優、そして文筆家としてマルチに活躍するマキタスポーツが、食にまつわる異色のエッセー『グルメ外道』(新潮新書)を刊行した。世間の流行や常識に背を向け、自らの舌と記憶に忠実に語られる“食”の数々。「10分どん兵衛」に象徴される独自の食作法、志村けんさんとの一夜ににじんだ“食と人生”の哲学など、偏愛とともに書きつづった“美味しい能書き”のかたまりだ。(取材・文=平辻哲也)
大学卒業後、地元・山梨に戻り、一時はモスバーガーで副店長も務めたというマキタ。2015年、ラジオ番組でインスタントうどん「どん兵衛」の湯戻し時間を10分に延ばす食べ方を紹介したところ、SNSで大きな反響を呼んだ。推奨時間は5分だが、あえて10分待つという“逆張り”は瞬く間にバズり、食への独自のこだわりを象徴するエピソードとなった。
「10分どん兵衛」の原点は、大学生時代のひもじさからの工夫だった。
「カップ麺を放置して麺を柔らかくし、スープを染み込ませて食べるというのを自然にやってたんです。その中で、どん兵衛の麺が明らかに変わった時期があって。“これ、10分置いてもいけるな”って感じたんですよね」
当初、誰かに広めようなどとは考えていなかった。ただ、ラジオ番組の中で軽く語っただけだったという。
「それが勝手にSNSでタグ付けされて、爆発的に拡散されていった。気づいたら、どん兵衛を製造している日清食品にも話が届いて、開発担当者の方から『10分で食べたことなんてないです』って(笑)」
結果的に広告展開にもつながり、「0秒チキンラーメン」や「10秒チャーハン」など、秒数を商品名にする流れの先駆けになったとも言われている。
「正直、僕は“10分”って言ってますけど、実際には20分ぐらい置いてた。でも、それだとさすがにぬるくなるから、遠慮して“10分”ってことにしたんです(笑)」
本書の中でとりわけ印象的な章のひとつが、志村けんさんとの共演エピソードだ。2015年、NHKのコント番組『となりのしむら』で、サウナのシーンを演じることになった。
「志村さんと初めて2人芝居をすることになって、僕は台本通りにやるつもりだったんです。でも、ほんの少しだけアドリブっぽい動きを入れてみたんですよ。それがカメラマンに伝わって、『体の向きもうちょっとこうして』みたいな演出が入り始めて……」
すると、志村がぽつりとつぶやいた。
「撮ればいいんだよ、ワンカットで」
空気がピリついたのが分かった。
「後日、打ち上げで謝ったら、『お前、カメラマンの言う通りにしただろ?』って言われて。『お笑いはドキュメンタリーなんだよ。俺たちが心にカメラマンを据えるんだ。カメラマンに合わせてどうすんのよ』って。静かに、でもしっかり言われました。本当にその通りだと思いましたね」
その後、志村が水割りを頼み、マキタがマドラーを手に取ろうとしたとき、再び一言が飛んできた。
「混ぜんな。混ぜないでいると、ゆっくり変化してくのがうまいんだよ」
先ほどの言葉と見事に重なる“哲学”だった。
「これ、20代の頃に聞いても意味が分からなかったと思う。でもあの時は、『あ、これってそういうことなんだ』って腑に落ちた。ものすごくありがたい体験でした。」
志村との酒席は、この一度きりだった。けれど、その“一度”が、人生を変えるほどの深さを持っていた。
(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)