【音楽】38年前、日本中に刺さったむき出しの魂の叫び バブル初期に鳴り響いた荒く美しい異端ロック THE BLUE HEARTS『リンダリンダ』
【音楽】38年前、日本中に刺さったむき出しの魂の叫び バブル初期に鳴り響いた荒く美しい異端ロック THE BLUE HEARTS『リンダリンダ』
2025.8.2 TRILL ニュース
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1993年 ライブコンサートでのTHE BLUE HEARTS (C)SANKEI
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1987年の春、日本はバブル景気の入り口で、スーツ姿の大人たちは未来に浮かれていた。街は軽やかな高揚感があふれている。
しかしその足元では、どこか社会に噛み合わない若者たちが、確かに存在していた。
そんなとき――突如、爆音のような音楽が鳴り響いた。
THE BLUE HEARTS『リンダリンダ』(作詞・作曲:甲本ヒロト)――1987年5月1日リリース。
それは、“荒々しいのに美しい”、魂の叫びだった。
■誰よりもシンプルで、誰よりも激しい「好き」の叫び
THE BLUE HEARTSのメジャーデビュー曲となった『リンダリンダ』。パンクロックという言葉すらまだ浸透していなかった時代に、彼らは何のためらいもなく、真正面から「愛」をぶつけてきた。
この曲の歌詞は、驚くほど短くてシンプルだ。でも、そこに詰まっているのは、言葉以上の感情だった。
曖昧さも、飾りもない。まっすぐな感情だけが音に乗っていた。それが当時の音楽に慣れた耳には、粗削りで異質に聞こえたのかもしれない。
けれど、感じたのは間違いなく“本物”だった。
感情を、そして愛を、照れも計算もなく、全力で叫ぶ。
ただそれだけのことが、どれほど難しく、どれほど尊いか――彼らはそのすべてを、たった数分の中に詰め込んだ。
■“型破りな真っ直ぐさ”が、息苦しい時代を蹴っ飛ばした
技巧も、複雑な構成も必要なかった。THE BLUE HEARTSの音楽にあったのは、シンプルなコード進行と、抑えきれない衝動だけ。
“伝わる”かどうか――それだけが、彼らの核にあった。
テレビでマイクを握る甲本ヒロトは、どこか無防備だった。細かいフレーズを操るのではなく、まるで命をぶつけるように声を放っていた。理屈を超えて、感情がそのまま喉を突き抜けていくようだった。
隣でギターをかき鳴らす真島昌利には、静かな覚悟があった。無表情にも見えるその表情の奥には、確かな熱があった。あのギターの一音一音には、叫びたくても叫べなかった誰かの想いが宿っていた。
この曲の最大の魅力は、決して奇抜さではない。
むしろその逆で、誰もが胸の奥で感じていながら、ずっと言えずにいた思い――それを、彼らが先に叫んでくれたことにあった。
「自分も、あんなふうに声を上げてみたかった」
「心の底から、誰かを好きになったことがある」
そんな記憶や衝動を、この歌はそっと呼び起こす。“ちゃんと言えなかった想い”に、音がついた瞬間だった。
■今も、叫びたくなったらこの曲をかければいい
『リンダリンダ』のすごさは、38年経った今もまったく色褪せていないことだ。
むしろ、言葉を慎重に選びすぎてしまう現代において、こんなにも感情をむき出しにできる歌があることが、どこか救いになる。
泣きたいとき。怒りたいとき。誰かを好きすぎて、どうしようもなくなるとき。
そんなときは、余計な意味を探さずに、この曲を聴いてほしい。
(※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)
●【公式】ザ・ブルーハーツ「リンダ リンダ」【1stシングル(1987/5/1)】THE BLUE HEARTS / Linda Linda
(出典 Youtube)