江口寿史氏 “トレパク疑惑”の問題点は何か?「昔はゆるかった」「江口さんは大御所だから」と擁護する人たちに欠けている視点とは?
江口寿史氏 “トレパク疑惑”の問題点は何か?「昔はゆるかった」「江口さんは大御所だから」と擁護する人たちに欠けている視点とは?
江口 寿史(えぐち ひさし、男性、1956年〈昭和31年〉3月29日 – )は、日本の漫画家・イラストレーター。妻は元アイドルの水谷麻里。血液型はO型。代表作に『ストップ!! ひばりくん!』、『すすめ!!パイレーツ』、『江口寿史の爆発ディナーショー』など。女性画に定評がある。…
47キロバイト (5,565 語) – 2025年10月11日 (土) 05:55
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1 Ailuropoda melanoleuca ★ :2025/10/13(月) 19:43:46.76 ID:wf95h3YX9
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「なんで人物を無許可でトレースしちゃったのかな。描けない人でもないだろうに、それも広告仕事でしょう」
コミック制作の編集プロダクション幹部、ベテランの漫画編集者(60代)が江口寿史氏についてこう語る。
彼はかつて単発ながら江口氏と仕事をしたことがある。筆者も本当に古い話だが別の仕事で江口氏の原稿に関わったことがある。当時、上がり(※納品)が遅いことを直接の担当だった先輩編集者も愚痴っていたが、それもまた「白いワニ」などネタに出来てしまうようなパワフルな作家であった。
トレースかどうかはわかると思う
もう説明するまでもない大御所、江口寿史。この国のコミック、イラストレーションの世界に革命を起こしたクリエイター――しかしルミネ荻窪「中央線文化祭」で掲示された少女の横顔のポスターが「無許可トレースではないか」という騒動が巻き起った。モデルとなった女性が私ではないかと名乗り出たこと、それを江口氏がSNSで認めて事後承諾の形をとったことで火がついた格好だ。
当のルミネは10月6日『中央線文化祭2025』に関するお知らせとして、
〈必要な確認をおこなった結果、制作過程に問題があったことを重く受け止め、該当ビジュアルを今後一切使用しないことといたします〉
とした。また江口氏のトークショー「中央線と漫画と人生と」も中止となった。
そして、これまで描いたデニーズやセゾンカード、Zoffなども無許可のトレースではないかと疑念を持たれることになった。
〈制作過程について現在確認作業を進めております。〉(デニーズ)
〈現在、当社におきまして事実関係の確認および精査を進めております。〉(セゾンカード)
〈現在、事実関係を精査しております。確認が取れ次第、改めてご報告いたします。〉(Zoff)
疑惑はともかく構図もほぼ同じトレースであろうイラスト、江口氏のタッチになっていても、実際のモデルとなった女性からの許可もなかった。「あの江口寿史が」ということで、驚きとともにネット上では激しい非難と追及がいまも行われている。
先のベテラン漫画編集者はこう続ける。
「トレースだってことは周知の事実だったでしょう。トレース自体、私は条件付きだけど技法として、パーツとして(※後述)問題ないと思っている。人物の承諾を得た江口さんの所有する写真だったならまあ、江口さんのタッチになるわけで、理想だけどすべてがフリーハンドである必要はない。でも、一枚まんまとなるとねえ」
彼の言いたいことはわかる。自分が撮った写真や許可を得た(被写体含む)写真なら一部のコミックでは当たり前に背景や小道具などを中心にトレースはコミックという総合作品の「パーツ」として使われる手法である。とくに劇画に顕著だろうか、コミックでは作品全体としてそれが主題ではないからだ。あくまで手段としてのパーツである。決してトレースそのものがすべて悪いわけではない。
「でもまあ、それでもトレースかどうかはわかるよ。わからない編集者もいるだろうけど、長くやってるとまあ、わかると思う。ベテランでもわからないふりをする編集はいるかもしれないけどね、とくに大御所相手だとそうだ。これは別に江口さんのことではないが、それはある、という話だ」
トレースといえば一部の現代美術でもそうか。美術専門書など普通に解説されている話で、アンディ・ウォーホールやノーマン・ロックウェルなどはトレースによる芸術作品を生み出している。少し古くなるとアール・ヌーヴォーに活躍したアルフォンス・ミュシャだろうか。
しかし、なぞれば誰もがミュシャのように描けるとはならないし、件の江口氏もまたそうだろう。決して擁護でなく、トレースという技法そのものは作家によっては表現手段となり得る。
全文はソースで
https://www.news-postseven.com/archives/20251013_2070052.html?DETAIL